7月中旬に入ったばかりなのに梅雨も早々と空け、連日の猛暑日が続いています
(+o+)今年は3年前に匹敵するような暑さになるのか...ブログ担当です。
ところで、最近とっても心配なことがありまして...
「奇跡の◯◯」ってよく聞きますよね。
でも
"奇跡のリンゴ"だけは、どーしても
「奇跡」という言葉が引っ掛かる。
これはチョコット野菜作ってる人としての考えであり、そのことを理解して軽~く読んで下されば、これ幸いです。今
"日本で一番有名な農業家"を選ぶとしたら、それはたぶん無農薬・無肥料でリンゴを栽培している青森県の
"木村秋則氏"となるのではないか。
数年前に著書はベストセラーとなり、今年は
映画化もされたので、ご存じの方も多いかと思います。
まず、木村秋則氏の著書
「奇跡のリンゴ」とは、リンゴ栽培に関しての
絶対不可能を覆した感動の物語であって、
決して無農薬・無肥料でリンゴを育てる方法論を書いた
農業指南書ではありません。
私も数年前に読ませていただきましたが、
そのプロセスはまさにドラマチック。もう狂気の沙汰です!!!
(いい意味ですよ)ですが...
こと"農業"と"奇跡"を結びつけると"声を掛けたリンゴの木は育ったのに、声を掛けなかったリンゴの木は枯れた"とか"植物は人間の愛を理解する"とか"畑でUFOを見掛ける"というファンタジーに変わる。
そういえば詐欺や宗教でも"奇跡・感動"という言葉をよく耳にしますが、"無農薬・無肥料(木村農法)で農業が可能か?"というのは純粋に科学的・経済的な問題。収穫量や損益等の数字に基づき冷徹な考察が必要で、採算が取れなければ非合理的で農法とは言えない...なぜ周りのリンゴ農家は追随してやらないのか?
現在のところは、これが全てだと思います。
もちろん、無農薬・無肥料栽培は
"ある程度可能"なのは理解できる。
しかし、同じ条件を作り出したら
"ほぼ再現"できる...でなければ、まさに偶然。
"私だけができる農法"だったら、全く信憑性がない。
しかも
"奇跡のリンゴは腐らない"とかメディアでも取り上げられているようですが、別にリンゴやナシなんて冷蔵庫に保存しなくても、条件によっては一年近く腐らない
(カビない)品種や個体は普通にあります。
(だって水分が蒸発しますから...)で、農業を知らない人が素直に、
奇跡≒無農薬・無肥料≒オーガニックとなるのが一番困る。
だって"無農薬・無肥料"と"オーガニック(有機栽培)"は全く違いますので...
オーガニックにも矛盾が多く、自然食品販売の店舗に並んでいる商品なんかでも、勝手に"有機"とか"オーガニック"を名乗っていたりするのを見掛けます。オーガニックって言葉が独り歩きして、定義や統一された基準が非常~に曖昧なので、心配な方は必ず"有機JAS認証"マークを確認しましょう。
「奇跡のリンゴ」という物語に感動することは何ら批判されるものではなく、「無農薬・無肥料でも農業ができる」と頑張って実践するのも自由。
もちろん奇跡のリンゴが悪いとか、木村農法に腹を立てているわけでもない。
だからこそ"奇跡"とか言っちゃうと、なんだか"たまたま運が良くて"みたいな...
現代農業をやっている以上は、農薬・肥料(化成・有機含)の有用性は疑う余地無し。
(農薬なんか昔に比べると、かなり厳しい基準で減農薬です)
例えそれがリンゴであっても野菜であっても同じだと思います。
木村氏の提唱される"自然栽培"は"放置(不耕起)栽培"や"オーガニック"とも違う、"第三の農業革命_農業ルネサンス"だとおっしゃってます。
それに対して賛美の声が上がり、便乗して儲かりたい人が褒め称え、神輿の上に乗せる。
「そう、コレだよこれ~!!!」と言いたくなる「ヒットの黄金パターン」である。
でも、実際に著書やHPの中には、木村農法の科学的な根拠・具体的な数字・収穫したリンゴの味・品質等は、全くといって触れられていないのも、これまた事実。
非常に残念です。
私は
奇跡を待つより捨て身の努力!!!
で、頑張ります。
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