昨夜から変な天気です。
ドシャ降り→青空→ドシャ降り。
梅雨なので当たり前ですが、それにしても風は強いしジメジメ・・・
本当に嫌いです。(*_*)
晴耕雨読...今日は本の紹介をします。
舞台は徳島県上勝町(かみかつちょう)。
色々なメディアで紹介されているので、ご存知の方も多いのではないでしょうか?
著者
は、この町で
「葉っぱを売る」という奇抜なビジネスを成功に導いた人。
葉っぱを買ってくれるのは、全国の有名料亭や旅館等々...
いわゆる
「つまもの」として購入するのです。
柿の葉や栗の葉、緑の紅葉、笹の葉といった上勝町ならどこでも簡単に手に入れることができる葉っぱが、1枚200円や300円といった、とんでもない値段で売れいく。
当時、上勝町の農協に務めていた
「横石 知二」さんは、このビジネスを大阪の「
がんこ寿司」で思いついたそうです。自分達の町にはいくらあっても珍しくない当たり前のものが、都会では価値あるものとして扱われている。
これはビジネスになる。いまや、上勝町の特産になった
「彩(いろどり)」というブランドが誕生した瞬間でした。
「葉っぱの町」上勝町
株式会社いろどりしかし、思いついてから実際にビジネスにしていくには、相当な苦労があったようだ。
町の老人たちに説明しても、誰もそんな
"オイシイ話"は信じてくれなかったり・・・
そりゃそうだ。
そこらへんに転がってる無料(タダ)のものが売れるなんて詐欺にしか思えない。
市場に出荷してみると、単なる葉っぱの寄せ集めでは商品価値が低いことが分かりました。横石さんは、大きさや種類を揃え、使いやすい数量に小分けする等して工夫し、自腹で料亭を食べ歩いて市場調査を行い、数々の困難を乗り越えて
「彩」ブランドの葉っぱを特産品に育てていきます。
農家の収入が増えたおかげで、朝から酒を呑んで愚痴をこぼしていた男衆が消え、朝から嫁や近所の悪口を言っていた人たちもいなくなり、診療所やデ
イサービスも行けなくなるほど忙しい日々を送るようになっている。今やこのビジネス、なんと
年間2億6000万円もの売上になっており、出荷者の中には
年収1000万円を超える強者も...
この仕事を始めてから子供たちに家を建ててやったという人も現れ、上勝町は過疎化が進む町とは思えないような新しい家が続々と建っている。
驚いたのはこれだけではありません。
発注のシステムが凄いのです。
70、80歳を越えた老人たちが
"タブレットPC"をかなり使いこなしているっていうか、このビジネスに従事する人達には、専用のページが与えられていて、葉っぱの単価や、葉っぱの納品の仕方などを説明した動画などが掲載されているので、パソコンでしか仕事の情報収集・受注ができない。
これは嫌でも使えなくても必ず覚えます。(ここ大事)また、登録者の売上データもあり、自分の売上が
「何位なのか?」といったランキングまで分かる仕組み。
横石さんは
「老人たちを集めて、皆で協力して仲良くやりましょう」的なやり方では絶対に上手くいかないと断言しています。
成果主義によって若者たちが疲れて...みたいなことがよく言われているが、老人達にはむしろ競争をさせないといけないと言う。
それが逆に励みになるのだそうだ。
みなさん、順位には相当こだわるらしい・・・
横石さんのいくつかの言葉からは、揺ぎ無い信念のようなものを感じる。
ビジネスアイディア、着想の素晴らしさももちろんのことですが、このビジネスを実行に移していくにあたって、地元の暇な老人たちを「巧く活用する仕組み」にしたこと。
それにより、老人たちに「生きがい」を与えたこと。
とにかく「町中が明るく元気」になったこと。
現在では町ぐるみで就農希望のUターン・Iターン者の研修制度を設けたりと、過疎化対策にも力を入れています。
この本には、地域振興や活性化だけでなく、マネジメントや働く意味といった、色々なエッセンスが入っています。
どんなビジネスにも通じるヒントが隠されているのではないでしょうか?
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