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デリカシー2011年03月02日 01:50


今日は雨が降ったり止んだり・・・
夕方からは風が冷たくなってきました。(+o+)

朝の空模様

みなさん"デリカシー"って言葉ご存知ですか?

辞書を調べますと・・・

デリカシー【delicacy】
感情、心配りなどの繊細さ。微妙さ。「―に欠ける振る舞い」「―のない人」


となっています。



ニュージーランド南島の最大都市クライストチャーチ近郊で起こったM6.3の強い地震が発生してから1週間が経ちました。
この地震による犠牲者は1日現在155人となっていますが、その中で身元が判明しているのはたったの8人にとどまり、日本人28人の安否は依然不明のままとなっています。
そして全体の行方不明者は240人に上るとも言われています。

崩壊したCTVビル

天災や災害について書くのは本当に辛いのですが、まずは亡くなられた皆様に謹んでお悔やみを申し上げます。


最近テレビを見ていると"デリカシー"に欠ける発言や行動をよく見かけますので、大変気になります。


まず地震発生直後の日本政府の対応は早かったと思うのですが、発生当日の22日夜に外務大臣がニュージーランドに派遣する政府専用機に、被災者家族を同乗させたい旨の発言。しかし、防衛省との調整が不十分で実現できず、被災者家族を乗せられなかったことを謝罪しました。

大臣、気持ちは十分に分かります。
分かりますが一国の大臣でしょ?もうチョット考えて、事前に調整して発言できなかったのでしょうか。
そして発言してしまったからには、どんなことをしても同乗させるべきだったと思います。
被災者家族はさぞや期待していたことでしょう。

そして2月25日(金)の夜、テレビで驚くような質問連発のインタビューが放送されていたのです。(意見は色々あります。何も気にならなかった人もいるでしょうから、その点ご了承下さい。)

週末に自宅でテレビを見ていたんです。

NHKの21時から放送されている『ニュースウォッチ9』ですか?
その後、他の民放でも同じ映像が流れていたようですが、詳しくは分かりません。
(ソースは共同通信社のインタビューみたいです)

それも、かなりのながらで・・・

「NZ地震の報道をしているな」くらいで聞いていると、地震の被災者に記者がインタビューをしていたのですが、とにかく耳を疑うような質問を平気でぶつけているのです。

インタビューに答えていたのは奥田建人さん。
ニュージーランド地震のCTVビル崩壊現場から救出される際、瓦礫に挟まれた右脚を切断する大怪我を負った富山外国語専門学校の1年生です。

奥田建人さんは病室で気丈にも取材に対し、瓦礫の下敷きになってから救出されるまでの状況を証言していました。

家族や友だちに『生きてます』と伝えたい。それで十分です・・・

と話す姿に、私は素直に胸を打たれたのです。

すると記者が『足を切ると言われた時どう思いましたか?』等々のトンデモない質問!?


私にはその質問に何か深い意味が有るとはとは考えられませんでした。

なぜ今そんなことを聞く必要があるのでしょうか?
それも現地の病室でですよ。(どうして病室に入れたのかも疑問ですが?)
まだまだ手術してから時間が経っていません。
痛さに耐えているかと思います。
右脚を切断した現実を受け入れられてないかもしれません。


このようなことがある度に毎回思うのですが、インタビューをしているこの記者は「報道の名の下に何をやってもよい」と勘違いしているのではないでしょうか?「報道の自由」「表現の自由」ですか?も う一度報道とは何かということを見つめ直して欲しいものです。報道の"モラル"とは何なんでしょうか?報道の本質が読者や視聴者の興味があるものを提供するものであることは理解します。大災害であっても例外にならないのかもしれませんが、時宜をわきまえるべきだと思います。確かに悲劇として注目されている最中にヒーロー(ヒロイン)を作り上げるのは商業的には"アリ"かもしれませんが、「現地の声を伝える」「情報は早く具体的に」という報道の基本を根本的に理解していない様に思います。日常生活ではそうそう起こる事のない悲惨な体験を報道として伝える時の姿勢は、人間の尊厳だと思っ ています。そこさえ十分に踏まえていれば、もっと違う報道ができるのではないでしょうか?

私は『足を切ると言われた時どう思いましたか?』なんて質問は期待していません。

「それより伝えるべき声が他にあるだろう」と違和感を覚え、どうにも感覚がかなり違う様に感じてしまいました。


そして大地震で多くの人々が生死をさまよう状況にある中、日本のメディアが最優先に報道していたのが"パンダ"ですから、ホント悲しい限りです。

東京都は中国に頭を下げて、10年間の貸与契約。
レンタル料が年間、2頭で7800万円って・・・
10年間で7億8000万円を稼ぎ出すのです。

パンダもカワイイですよ。パンダも重要ですよ。
でもねその時間とお金、他に使い道があるのではないでしょうか?


今回の一連の報道で私が感じたことは、まずは記者の人間性の問題、それを平気で取材させる管理者の問題、そしてその記事を購入し誰一人何も思わず放送してしまう、感覚の欠如した現場スタッフや公共放送機関としての問題が複雑に絡んでると思うのですが、皆さんはどの様にお考えですか?
報道姿勢に対するメディアの体質を危惧してしまいます。


天災というのは本当に恐ろしいもので、一瞬で日常の風景を一変させます。家族や友人・恋人が突然失われた時の喪失感というのは、簡単には表現できるものではありません。そんな喪失感を抱いたまま、生存者は生き続けていかなくてはならないのです。

とにかく未だ安否不明の皆様の生存を祈ると共に、被災者になられた方々のこれからの人生に「頑張って生きてください」とだけさせていただきます。



 

 

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